「大学へ散歩なんて、随分勉強熱心だと思われそうです…あ、すみません。」僕は彼女の言葉に笑いました。苦笑にも似たそれで笑みを浮かべ、でもそれも悪くない考えだとひとりごちたのです。ほぼほぼ義務的に足を向けていた其処に、そんな理由を付けて訪ねるなんて。彼女にとっては何てことないジョークの一環、もしくは会話のネタのひとつ、なのかもしれない、だけど、どこか肩の力が抜けた気もしました。端麗な顔を笑みにゆがませた彼女から差し出されたハンカチはおずおずと片手で受け取ります。その差中にチラリと伺い見たのは言う迄もなく。「熱中症ではないと思うんですが…、多分久し振りに誰かと話したので、緊張してるのかも。」僕は胸の内を素直に吐露してみせました。会話を機するのは他に、少し変わったあの友人>>44だけなのだから。
(67) 2014/10/01(Wed) 08時頃
sol・la
ななころび
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