[>>57彼方此方に視線を向ける少女の目線を追う事も無く、手元に視線を落としたまま。人に心配して貰うのは何時ぶりだろうか。人を放っておけなかった、あの子を思い出す。自らの片割れ。]
(……灯里は、……。)
[双子の妹の笑顔が思い浮かんで。何処かまた思い出そうとすると頭の中で警鐘が鳴った気がして――、また、自動的にセーブがかかった、様な。また文字が視界へと入り込む。床の血痕が見えない様に、覗きながら]
……分からない、です。
…思い出してはいけない、って頭の中に…あるけど。
…断片的にしか、出てこないから。
[ごめんなさい、と置かれたメモを見れば、気にしてない、とばかりに首を横に振った。そしてまた視線を下に下げたが――、綴られたメモを見て、きょとんと。]
[それからふ、と顔を上げれば血痕が無くなっていて、彼女の方へと振り向いては、それでも俯いて。こういう時、なんと返せば良かったのか。いつもなんと言っていただろう。]
…すみません。大丈夫です
[口をついて出てきたのは、感謝よりも謝罪で。日常的にあの家で。否、あの家が『無くなって』からも口に出すのは、身を守る為の謝罪。それが根幹に染みついていた。]
(67) 2014/03/01(Sat) 00時半頃