[様子の変わらぬ女を見据えたまま、火の粉は徐々に数を増して。
さて猫を被っているのか、それとも本当に何も知らんのか。そこについてはやはり、自分で判断はつかぬまま。
…なのだが、彼女はやけに、冷静すぎる。
誰が裏切り者か分からぬこの状況。互いの立ち位置がわららぬ自分と麗亞では、少し間違えば此方が裏切り者と解釈されても何もおかしい事は欠片もない。
だというのに防御や弁解、逃亡を行う様子は欠片もなく、其れが強い違和感となってその場に満ちる。
自分と麗亞と、明らかな力の差がある事は歴然で、この女はそれが分からぬ程頭の悪い人間では無かった筈だ。]
ああ、これは業務連絡だが、
馬鹿やってる連中のメンツや人数が知れてな。
裏切り者は三人。
紫藤と大須賀、あと一人。
もう一つ付け足すなら、お前以外の当主は、全員シロだ。
…で、龍山は何処行った?何で七緒と揉めてる?
お前が殺したとか、そう言う話じゃねえだろうな。
(66) 2015/09/18(Fri) 05時頃