[宴の終焉が告げられる少し前――。私はサイモンが閉じ込められていた部屋に行きました。影に片されたサイモンの遺灰を暖炉から掻き集め小さな革袋にそれを詰め込んだのです。次に向かったのは書庫でした。同じようにメアリーの遺灰をもう一つの袋に詰めて大事に懐へと仕舞いこみました]――…貴女たちは此処に留まってはいけない。貴女に似合う場所は明るい場所だから……[私は二人に語り掛けるように呟くのです。たとえ二人に届かなくともたとえそれが私の自己満足だったとしても二人をこの場所から解放する事が――私が為すべき最後の役目と思っていたのです]
(65) helmut 2010/06/26(Sat) 22時半頃