[パティさんは首を横に振ったけれど、それでもまだ申し訳ない気持ちは少し残っていて。
それでも、黒猫が、そして僕も来てくれた、との言葉には]
僕はこの子を追ってきただけのようなものですから。
まったくもって偉いなー。
[黒猫に近寄って抱き上げながら、パティさんに微笑み返す。
無理してないですか? と訊けるほど、気遣いにも、表情から相手の気持ちを読むことにも長けてはいないけれど、パティさんはたぶん大丈夫だ、って、そんな気がした]
ええ僕は行かないって決めてるので―――…え、つきあう、って。
[浮かんできた予想はパティさんがグラスを出してきたことによって確信に変わった。
差し出されたグラスを見つめしばしぽかーん、としているとも見える表情をしていたけど、やがて]
僕もそもそもお酒は苦手なんですけど…………まあいいや。
若者らしく、苦手を克服するところを見せてあげましょう!
[無理矢理誇らしげに笑ってからグラスを手に取った。
そして―――]
(65) 2011/08/13(Sat) 16時半頃