――自宅→高等部校舎――
[ 進む道に厚い雲が一層影を落としている。慣れたそこへ足が吸い付けられるような感覚に、革靴の音を重くしながら。
――やがては見知った建物が映れば、小さく息を吐いた。昨日の自主休校を追求されればどうしようか、と思考を飛ばしつつ、その時になればでいいかと投げる。見つからないならそれでいい。都合のいい事に今日は休校なのだから。
歩みを進めて行けば、>>41 立ち尽くす後ろ姿に視線を留める。学生服のそれに一瞬だけ眉を顰めて、近寄れば覚えのある背格好に、表情を戻しては地面を鳴らした。]
――ここ高等部だよ。
[ 委員会議や合同行事で、幾度か話を交わしたその姿へ声をかける。今は大学に進学しているんじゃなかったか、と思いながら。
いつもより濃い色を落とす視界に、1人立つ様にはぼうとした――心許なさ、だろうか。あまり感じたことのない感情を、浮かべた薄笑いにはおくびにも出さないまま。]
こっちに用事? それとも迷子?――マユミ先輩。
[ 先に投げた声にこちらへ振り向いたのなら、ただ癖のまま向き合った顔を傾げつつ。気付かれなかったなら、その顔を覗き込むようにして名前を呼んだだろう。**]
(65) 2014/10/03(Fri) 09時頃