[自分はそんなに変わったわけでも、間違った道を歩んできたわけでもなかったんだろう。
少し、歩き方を忘れてしまっていただけで。
出版も、報道も、決して主役にはなれないサポートの仕事。
何かを知りたい誰かに対し、何かを持った誰かのことを伝えること。
この仕事を選んだのは、もともと自分を主張するため、ではなかったんだろうと思う]
ファーストクラスで出張させてもらえるくらいに、ビッグになってよ。
そうじゃなくちゃ、私の体が納まらないから。
だから――――やり切ってね。
[そう言い切って、飛び立つ彼に、手にした紙を、突きつけた。
……まるで旅立ちの門出を祝うように、スイカの種が、飛んでくる>>45。
なんとなく気恥ずかしくなって、ぷいっとばかりに、顔をそらせた。
視線の先には、目覚めてテーブルをたたく男の姿>>56>>57。
眠りに落ちる前とは少し変わった様子の彼の姿を、視線の逃げ場として。
ふっと、小さくほほ笑んだ**]
(64) ginlime 2011/09/02(Fri) 21時半頃