サーーー!イーーー!モーーー!ンーーー!
……さっ、ん……
[思いっきり大声を出した(先ほどの絶叫ほどではない)せいで、息が苦しくなり、最後の敬称だけ掠れた声。
彼は吸血鬼としては年下っちゃ年下だが、一応吸血鬼になった時に止まった人間年齢は年上だし、敬語を使ってはいる。そもそも、このシェアハウスで、年上も年下も、あんまり関係ないようなあるような……
そんなわけで、やってきましたホラー作家のお部屋前。
コンコンゴンゴン。ノックの音は荒っぽい。]
いますかー!新作できましたかー!
[実は彼の作品の大ファン――の、友人が居る。
イルマ自身は、「ふーんへー、すげー」くらいの感想だ。
友人に彼の新作の情報をいち早くお伝えすべく
こうして編集者さながらの態度で、勝手に決めた作品の完成をせっつくのは、いつものこと。*]
(64) 2016/12/01(Thu) 00時頃