[どこか探せばカバーも見つかるのかもしれないが、近くには見当たらず。
ただ、他人に使われても厄介だ。少し悩んで、包丁はまとめて食器棚の奥に移動させる。
「ありそうな場所にない」というだけで、室内を探されればすぐに見つかるだろうが、そのままよりはマシだろう。]
ちゃちい小細工だけど、まあ……
[あとは――と、形だけでも盾になりそうなフライパンを手に取った所で、再び、銃声>>57。
少しの間を置いて、もう一発>>61。]
……あー、俺、やばそうなトコに迷い込んでる?
[ごく近くで響く複数回の銃声―それも、音が聞こえる方向はさっきから様々に思える―に、嫌な予感を覚えながら、ふと思う。
逆に考えれば――この状況は、自分にとってはチャンスではないのか。
腰から下げたポーチ。そこに収納された【手段】とやらの威力は知らないが、人の集まる場所に、それを投げ入れれば?
そんな自分の考えに、背筋をゾッと嫌なものが走った。
少なくとも、今は下手に動かない方が良いはずだ、とその考えを追い払うように首を振った。]
(63) 2014/06/22(Sun) 22時頃