[がしゃん。重い錠の音が、女の到来を知らせる。冬の冷気と共に入ってきた女の毛皮の先は白く凍てつき、雪の匂いが、つんと甘い香水に混じって鼻をついた。]……、アーチ?[女の肩に止まった極彩色に、ぴくりと表情が動く。>>@7友の形見の鳥に目を細め、女の問いかけには少年が動く風を黙って見遣った。>>17残酷、という女の感想には僅かに苦笑の影が滲む。>>@12共に食卓を囲む気にはなれなかったけれど、確かにそこに並んでいたのは、暖かな気遣いと、哀悼と、僅かな哀れみと、きっと──そうした"やさしさ"なのだろうか。]
(62) dia 2010/03/01(Mon) 04時半頃