[一度胃袋に流れ込んでしまえば、あとは染み渡るばかり。
身体の中を這いまわる甘露に、供物の準備を任せよう。
するりと引いた指先で、口角から垂れた雫を拭い、
褒めるように喉を擽り、愛玩の仕草。>>58
成程、言動に問題はあるが、この見てくれであれば、
言葉を操り、双眸をタイで隠さずとも本懐まで至れるだろう。]
ありがとう、だが、私は喉に渇きを覚えていない。
それよりも、君の渇求の方が癒えぬように見えるが――…、
[受けったグラスは右から左。
御代わりもありますとフレッシュネクター絞る従僕に返し、
胡乱な顔した男は緩やかに彼の腰に腕を回した。
下肢に響かせるエスコートはややも強引に。
社交界での手習いも、政治家にとっては教養の内だ。]
少し、部屋で休むかい?
[囁いた言葉は、彼の股間に垂れる聖剣を嗤うよう跳ねた。*]
(62) 2015/11/11(Wed) 22時頃