[土のにおいをひとしきり楽しんでのっそりと起き上がる。重力は不便だと感じつつも、足で立っていることはしっかり生きているみたいで心地のいい感覚だった。]
あー…んっふふ、
てかー、おなかすいたー。なんか?おいしそうな、におい…?
あとなんか、浮き足立ってて、うるさくないうるささ…?
[地べたに突っ伏してる間に周辺の装飾が華やかになって、明らかに人が増えていた。衣服が全く違う。異質なのはこちらだと一目で分かるけど、どう話しかけていいか戸惑いきょろりと見渡した。]
ええと…そもそも、
[昔読んだ記憶のある{地球-古き良きNIPPON、これからのNIPPON-} データの内容を思い出す。データの画像を切り出したかのような光景に無性に心が踊る。]
もしかしてこれって、OMATSURIってやつ?
[思考を巡らせつつも、においに反応したように、きゅるると体が空腹を訴えた。
どんなに進化したって、どんなに文明が進歩したって、動いてりゃお腹は空くもん、と開き直った。そうして今さらながら、泥だらけの自分が気になりだしてもいた。]
(62) 2015/04/17(Fri) 22時頃