[変な乗り物から降りてきた二人の研究者。ノッポで「うっひょひょい」と笑う眼鏡と、その半分ほどの身長で仏頂面をした眼鏡。ずっとパラディソの位置を観測しながら、到着を今か今かと待ち詫びていたらしい]
……それはまた、到着が遅れまして申し訳ない。
[なんだか想像していたのと大分違う。
目をきらきらさせて、何かの召喚の儀式のように自分の周囲をくるくる回る二人。なんだこの漫才師のような二人組は]
もっと美人の科学者が出迎えてくれるかと……。
[トルドヴィンの母親を思い浮かべてため息混じりに呟くと、猛抗議と共に尻を蹴られて、人力飛行機の後部座席へと押し込まれた。
ぎったんばったん羽音を慣らして、不細工な飛行機は草原の上空を渡る。必死でペダルを漕ぐ二人の背中を後部座席から眺めていると、警戒心もいつのまにかどこかへ吹っ飛んでしまったのを感じて笑みを零した]
(61) heinrich 2013/08/03(Sat) 01時半頃