― 手術室 Pamela ― ……これ、もう少し、借りていて いいですか?[部屋を出る直前、拾い上げたハンカチ。それを掲げ、渡してくれたフランシスカに尋ねる。駄目と言われたら返すし、いいと言われたらそのまま借りていただろう。何度か鼻を啜りながら、部屋を出て、廊下を右の方向へ。もう一人の赤銅色>>1:397とはすれ違ったか。 すれ違ったとしても、ばつが悪そうに視線をそらし、早足気味に歩み去る。] ………[―――本当は、話がしたかったのだけれど。部屋があるらしい場所に近付けば、扉は勝手に開いた。けれど、ひとつめ、ふたつめと、部屋の中は似通っていたから、どこもそんなものなのだろうか、とそのまま幾つかの扉を通り過ぎる。]
(61) 2011/09/28(Wed) 22時半頃