「可愛いポーシャへ
心配しているかも知れないが、私は無事でいるから安心して下さい。
今は、あなたのお父上と共に、宮城で陛下をお助けするために働いています。
私は帝国第一の臣として、帝国に忠誠を尽くし、常に国家の繁栄のために行動しています。
英雄の血を引く名門に生まれた私は、幼い頃より貴きの持つ血の伝統と責務の重さを言い聞かされて育てられました。
権門の家に生まれた者は、そうでない下々の安寧を図る義務があります。
貴族とは、決して生まれ持った特権を振るうだけの者であってはいけません。
社会に尽くす、無私の心を持って初めて、真の貴族と呼べるのです。
国家の運営に携われば、より多くの国民に幸福をもたらすために、時には少数に不利益をもたらすこともあるでしょう。
その決断をし、責を負うのは、能力を与えられた者の務めです。
無知なものは誹るでしょうが、私たちの正しさは後世の歴史が証明してくれる筈です。
(60) 2014/09/08(Mon) 03時頃