[なんだこれは手違いなのか、と頭を抱える。
俺の子を孕む予定の男は、何故か俺が孕む方だと言う。
如何するんだこれ、と小さくため息を吐きながら、今も己の掌に押し付け続けているまだ熱を持たぬ性器から手を離したら負けだろうとまだ鷲掴みのまま。>>49
俺は良いんだ、とまぁ自分勝手に鼻を鳴らしながら目の前の男を見据える。
この二人のやり取りを見られていようがお構いなし。
生憎そんな他人を気にしている状況ではない、ヤるかヤられるかの戦いである。
此方をさも子供扱いをするおっさんに引き攣る笑みを浮かばせながら。]
俺は別に弱かねぇよおっさん。
おっさんこそいい加減に諦めたらどうだ?俺は残念だが折れる気はない。
あんたに俺の子を孕ませてやるさ。
[こんな喧嘩のようなやり取り、普段なら苛立ちこの場から去っているだろう。
逃げないのはこのやり取りが嫌ではなく、この男をねじ伏せたいという気持ちから来るものだろうか。]
(59) 2015/11/11(Wed) 22時頃