――深夜/寮・自室――[問いかけがその相手に届いた様子は無かった。銀髪の少年は自らの行為に没入したまま嬌声のオクターヴを上げていく。まるでかれ一人しか、この部屋には居ないかのように――否、]……ぇ!?……誰、って?[ユーリィの唇から漏れた名前。それは少年にも聞き覚えのある――寧ろこの休暇に入ってからはほぼ毎日のように出会う――ものだった]――嘘、そんな、だって。[聞き違いではないと云うかのように、上擦った声が同じ名を呼ぶ。少年はぎゅっと瞼を閉じ、タオルケットを頭から被った]
(59) 2010/09/01(Wed) 22時頃