クラリッサ?
[その考えを否定して欲しくて、馬鹿だなと、お酒の飲みすぎですよ言ってほしくて。
しかし金縛りにあったかのように体が動かない。彼女の名前を絞り出すだけで精一杯で。
もしかしたら、言葉に思いが乗ったのかもしれない。自分が考えていることがクラリッサに伝わったのかもしれない。ニッコリとクラリッサが笑った。
――その瞬間、目の前でクラリッサが金色の狼へと姿を変える。
その光景を目の当たりにしても、クラリッサが人狼であると心が受け付けない。
――目の前に人狼がいる]
殺される前に、殺す…
[隠し持っていた拳銃を人狼へと向ける。いくら素人でもこの距離なら絶対に外さない。
金色の獣が一直線に自分に向かってくる。
自分はきっと死ぬのだろう。だが一矢報いることは出来る。仕留めることは無理でも手傷を負わせることは出来る。迫る人狼に照準を合わせ、]
(58) kanagami08 2013/08/08(Thu) 14時頃