─その、夜─
[夕方以降から右腕がじんじん痛くなってきたのを感じてはいたが]
…あれ、もしかして、熱ある? うっはあ…
まあ俺のことだから明日には引いちまうんだろうけどさあ…
あー…
[そうか、これが発熱か、いつもは気付かないまま寝てしまうのだけど。いやもう寝ようと思っていたのだけど。
体調など滅多に崩さないから、なるほど、これは心細い。
ただ、この身体のだるさや心許なさを体験できたことを少し嬉しいとも感じる。
寝込んだことも病気になったこともない自分は、病弱でままならないあのひとの気持をきっと全く理解ってあげられていないから]
ああ、これは…さみしいな
[あのひとはこんな心細さを、誰も居ない家で独り抱えているんだろうか。毎日。
想って、目を瞑る。横になる。意識は眠りへと。傍に居てあげたいと、支えたいと思うけれど、今の自分は心の中であのひとの名前を呼ぶことさえ出来ずにいるのに*]
(58) 2013/12/16(Mon) 22時半頃