「彼氏いいいいいいい!?」
お、おねーちゃ、おは、
[朝の挨拶すら言わせてもらえなかった。仁王立ちした母と姉、二人に並ばれて尋問が開始される]
「いつの間にそんなことに! 誰だ! どんな男だ! さあ吐けすぐ吐けとっとと吐け!!」
「まさかりいなに彼氏ができる日が来るなんて……お母さん、もしかしたら一生独身かしらって」
いや、あの、大学。大学、行かない、と。
[ほらほらと必死で掛け時計を指差す。時間を確認した姉が、ちっ、と舌打ちした]
「このまま逃げられると思ったら大間違いよ。帰ってきたらきっちりかっちり洗いざらい吐かせるから」
「今夜はお赤飯かしらー」
いいい、いってきます!
[荒んだ空気を放つ姉(同棲ごっこの彼氏とは結局別れたらしい)と、なにやら妄想してにたにた笑う母。温度差がすごい。しかしどっちも怖い。
りいなは急いでお弁当を詰めると、家を飛び出した]
(57) takicchi 2013/10/14(Mon) 00時頃