――回想・星屑のきらめき――
[様々な見慣れぬ物たちに、キャリーと共にキャッキャウフフしていると、キャリーの視線が一点に留まる>>50]
(指輪…?えっと、赤いのは…ルビーだっけ?)
[冒険小説の中に描かれていたっけ。お母さまも持っていたかもしれない。
…そういえば、と気づく。キャリーはこういったものは身に着けていない。昨日も今日も彼女の服装は素朴なものである。
クラリッサは踊り子の衣装用なのか、多くの装飾品をその身に纏わせていたし、キャサリンは何度か愛おしそうに首元のそれに触れていた]
(…キャリーさんにも絶対、似合うのに!)
[中心で光輝く小さな石。その鮮やかで情熱的な紅色は、彼女を彩るのに相応しい!
キャリーをちらりと伺えば、また違う商品へと興味を向けていた。すぐさま店主に耳打ちする]
おじいさん、この指輪をボクのために取り置いてくれませんか?
お金は明日、必ず持ってきます。ボク、どうしてもこれが欲しいんです!
(勘の鋭い老人は少年の真意を汲み取ってくれただろうか。もし了承してくれたなら満面の笑みで礼を言い、またキャリーと商品談義に花を咲かせるだろう)
(57) 2013/08/30(Fri) 16時頃