[次に目覚めたのは空っぽの部屋。腕に刺さる針と落ちていく水滴の音だけが煩かった。目覚めて、意識を失ってを繰り返すだけの毎日。混濁した頭では時間の経過のほども理解には至らなかった。その部屋を出る時まで青年は知らなかった。――今も、知らない。白く並んだ扉の向こう側。センセーの部屋の直ぐ近くのその部屋>>1:229が、一時的とは言え紛れも無く"シーシャの部屋"であったことを。]
(56) 2015/06/07(Sun) 19時半頃