[各々が名乗りを終えた後、幾人かがホールを後にした。一方で、瑛美たちは窓を破る算段を話し合っていた。
先ほどまでであれば、単独での行動は危ないと、出ていった誰かに付き添おうとしたかもしれないが、すでに一人で合宿所を探索したという日向の行動を知った後では、そうする意味も薄いように思われた。
考えてみれば、千秋はまだ扉が開かないという現象を、その手で確かめてはいない。ならば、瑛美や寧斗を手伝おうか……と、考えながら視線を巡らせた先。一人の少年の姿が目に入った。>>1]
梶くん、で合ってたやろか。君は、行かんでいいの?
[ホールを出ていた面々は、須藤、神田、そして日向。食堂を探索してきたと言っていたメンバーだ。先ほどまでのやり取りを見ていれば、良好な仲とは言わないまでも、それなりの交流はあったようだった。
問えば、彼が一人でホールに残った理由を答えてくれるだろうか。]
(56) 2015/02/03(Tue) 22時半頃