―近い将来ありえそうな事態―
[いつものように、早起きしてお弁当を作っていた。
今日のテーマは中華。エビチリに麻婆茄子に野菜炒めと春雨サラダ。デザートの杏仁豆腐は昨日の夜に作っておいた。二人分なんて作ったら、何を言われるか分かったものじゃないので、大量に作ったら母と姉は喜んでいた。
おかずが揃い、あとは詰めるだけ。くるりとカウンターに並べたお弁当箱の方を向いて……りいなは凍りつく。
とても驚いた顔をした、母が立っていた]
……え、と。
[頭が真っ白になりながら、それでも何か言わなくてはとりいなが必死に唇を動かそうとしたその時、母が叫んだ]
「れいなー! れーいーなー!!
事件よ! りいなが彼氏にお弁当作ってるわあああああ!!」
ちょ、おかあさ、
[制止する間なんかなかった。寝起きのぼさぼさ頭で、姉がキッチンに突入してきた]
(55) takicchi 2013/10/14(Mon) 00時頃