[そのあとも、「清水の舞台から飛び降りたい」とか、「豆腐の角に頭ぶつけてさっきの記憶を消したい」とか、訳のわからない思考を繰り返し考えながら、先ほどの珍妙な台詞に後悔し通しだった。
部屋を出るまでにまともに発した言葉は少なく、下手をすれば浴衣を着付けてあげたときの]
…この浴衣、可愛いね。似合ってる。
[この一言だけだったかもしれない]
(はぁ…恋人っぽいことって難しいなぁ…)
[内心盛大にため息をつきながら、メアリーとともに食堂へと向かう最中]
(…いや、ここで挽回…!)
メアリー、腕…!
[組もうかと言おうとしたが、身長的に自分が組ませてもらう側じゃん、と直前で気づいた]
…いや…手、つないでもいい?
[違う違う、なにかが違うと、片手で額を押さえ、半泣きでふるふると首を振った。
メアリーにどうしたのか問われたとしても、とりあえずはなんでもない、と答えるだけだっただろう]
(55) 2011/07/03(Sun) 15時半頃