― 回想 シメオン君宅 ―
[差し込んだ指に力が加わった>>43のには、満足感にも似たものを心中に揺蕩わせながら、深く笑みを魅せたことでしょう。そうして応えられた口付けに、――優しく切なな其れには、目を細め。時折吐息を漏らしてはただ応え続ける。]
こっち…って、…――ッ!!
何し、ぁ…んん…ッ、
[自分にだけ許可された――そう、特権に。驚嘆の内に頬を火照らせ、困惑に眉を寄せた頃に、引かれた腕には喉から音の無い悲鳴が上がりました。より密着する形となったその体制には、目を白黒させ――そうして恥ずかしむように至近距離の彼を見上げ、熱の篭った暗灰色を覗くのです。
腰下にて擦れ合うそれには何とも言い難い情を以って声が上がり。彼を攻め返そうとの思惑など、ふやけた脳ではロクに機能せず、ただぼんやりと朧に胸に抱えては直に姿を消えさせました。*]
(55) 2014/10/09(Thu) 21時半頃