― 回想・花屋Lemo ―
[ふわり、と風が「Crows」とぶらがった扉から流れ込み、「ふたり」の時間に終わりを告げる。
初めてお目にかかるお客様>>33。でもそのお客様が用事があったのはこの店ではなかった。二人の様子から初対面な印象を受けたが、来店した時に"ティソ"と名を出して来たのは――…。
不思議なことがあるもんだ。
ぽつりと呟いてはお客様の謝罪に静かに首を振って本日最後の注文に取り掛かった。]
いいえ、今日の営業ももう終わりですから。
…畏まりました。それでは少しお待ちいただけますか?
[言われた花々を厳選し、まだ完全には開花をしていない花を選んで和紙に似せたラッピング用紙に花を包む。その間に二人の会話はあったのか。]
今はまだ蕾に近い状態ですけど、明日には開花しますので。
[様子を見ながら二人の間に八部咲きの花束を差し出し、そのままお客様に手渡した。「今後も是非ともご贔屓に。」そんな言葉を付け足して。*]
― 終了 ―
(53) 2014/10/07(Tue) 11時半頃