―夢―
[受け止められた手。握り締められたまま、そこの空気は止まったかの様に
しかし、お互いの髪が揺れて。揺れ動く気持ちはお互いに。]
…何で、何で……来るんだよ…。
遅すぎるんだよ、莫迦……
[紫の視線が水色に刺さる。厭い、でないことは分かるけど。
…分からない。分からないことが恐怖で、怯える子犬のような水色の眸。
触れ合ったままの手に力が込められて、うっすらと赤に染まる頬も、
そうでない、そうでないと思うのに期待してしまう自分がいて、
じわりと目元が滲んだ]
…遅ぇんだよ。識りたいって。識ってどうするんだよ。
……受け止められるのかよ、莫ー迦。
[憎まれ口は素直になれない心の叫び声。夢で見てたから、だから。
なのに、それでも…。何かを期待してしまう自分がいて。縋りつきたい
水色が伏せられて、腕の力が抜けて、その肩へと降ろされた]
(51) sakuhana 2010/09/12(Sun) 03時半頃