……そうか。[クラリッサの返事は、半ば予想のついていたことで。もしかしたら、という淡い期待は。甘すぎる夢なのだと、思い知らされる。金子の代わりに差し出された絵本に。戸惑いは隠せなかったが。]……わかった。必ず、返しに戻る。お互いにそれまでは……生き延びよう。[彼女はそこまで聞いてくれただろうか。果たせるかわからない約束だが。クラリッサの前に緩く小指を立てた手を。ぎこちなく差し出した。それに気づかず去られたなら。何事もなかったのように、店を去るだろう。]
(51) 2012/03/28(Wed) 11時頃