[露蝶と別れ、倒れた盆栽を片付ける為掃除道具を取りに行くという目的>>29を思い出したヤニクは物置小屋までの道中、ふと自分の過去を振り返る。
自分は本来、金持ちでも貧乏でもない、所謂中流家庭の出身だった。
しかし幼い頃に両親を火事で亡くし、たまたま出掛けていた自分だけが生き残ってしまった。
家は残念ながらほぼ全焼してしまい、自分に残ったのはそこまで多くない財産と庭の物置に入っていた、庭師だった父の造園道具だけだった。
そこから色々あり、父の知り合いの庭師のおかげで何とか庭師になる事が出来た。そして方々で働いていたら偶然ゼルダに出会い、庭師としての手腕を買われ願ってもない事に住み込みで働かないかと言われたのだった。
両親が亡くなってすぐは自分が幼かった事もあり、絶望に苛まれ生きる気すら失った時期もあった。しかし今はこんなに素晴らしい環境で楽しく働きながら生きているのだから、人生とは何が起きるか分からないものだと改めて実感する。]
(51) 2013/12/07(Sat) 17時頃