―御姉様とおふろ―
[手招かれれば>>30いそいそと、歩み寄って湯気の立つお湯に手を差し入れた。あったかい。
軽く掛け湯をしてから、お湯に足先からそっと入る。
よく眠れた?と尋ねられると少し苦笑して。首を横に振る。]
あたしはまだ、そこまで割り切れなくて。
[実際の所は、朝までぐっすりだったのだけれど、あたし自身はあんまりよく眠れた、と言う感じはしなかった。
けれど多分、昨日に比べたら、あたしの顔色は、ずっといいはずだ。
じっと見つめられる視線を感じて、疑問符を浮かべながら彼女の顔を見返すと、ごめんね、と謝られてしまう。]
…かわいい、なんて。
[少し照れたような素振りを返してはみるが、その実あたしの心臓はきゅっと緊張に固まったようだった。
ほんのちょっと喋っただけでも、田端さんはきっと、さばさばしてて、裏表なんてそんなにない人なんだろうな、とは思うけど。
褒め言葉をそのまんま受け止められるほど、あたしは素直ではなかった。]
(47) 2014/03/18(Tue) 19時半頃