[慌てて言い訳を始める様子に、何か、思い出す。
何度か村の中で見掛けた光景、…――そう、
…小さな子供が、叱られまいと、必死になっている時。
何だか可笑しくって、くすくすと愉しげな笑い声が零れた。
この村に私以上に怪しいひとなんていなのに。
その不審人物の代名詞たる私に対して、
”自分は怪しい者では無い”だなんて、…可笑しくて]
[自称神の彼ですら、あれはあれで受け入れられている。
故に一番の不審人物は、恐らく私自身だろう。
悲観するでもなく、事実として、そう知っている]
…………、え、えぇ、
お客様なんて滅多に来ないから、少し驚いてしまって。
[迷いも無く手を取られて、また驚いた。
心音が早いのは、きっと、驚きが幾つも重なったせい。
別段一人でキッチンに向かい冷やしたってよかったけれど、彼の勢いに気圧されて、言われる侭に屋敷の中へと彼を案内した*]
(47) 2015/04/19(Sun) 03時半頃