[――"友達"というフレーズが飛びだせば>>11、思わず耳を、疑った。聞き間違いかと思えば、またそのフレーズが流れ、眉尻がピクリと持ち上がる。]
(…物好き通り越して、…何この人)
[失礼は胸の内に留めるものの、詰まった言葉は小さな唸りとなって零れた。今日はどうなってるんだ、と嘆きの言葉が先に上がってくる始末。
深く息を吸っては、まじまじと相手の表情を力の加わった瞳で見るが、それも直ぐにふらりと瞳を曇らせながら反れて行く。
彼の真意を図る事は、疎遠を保っていた身には難題でしかない。]
………… …、――好きにすれば。
[一言、それだけを返してはマフラーへ頬を埋め。数拍置いて、少しだけ強く手を引き寄せる。
もし、字面のままが真実だったとしたら。…なんて、他人事と言い切れない想像は、眉間に薄い皺を刻ませる程度には堪えた。
やがて、図書館に辿り着けば、幾つか言葉を交わし別れ、自身の本を返却しに向かっただろう。
もし、相手の帰り道が危ういようなら。
偶には良いかと相手の用が済むのを待ってから、分かる道まで付き合ってやったのだったか。]
(45) 2014/10/03(Fri) 04時半頃