―廊下―
[さて。鼓膜を震わすは夜の音。何度も、何度も聞いて飽きた音。
所謂花達の色気が、艶が一番出る時間帯になったのを知らせるもの。]
……貴方様を満足させるような花があるかどうかは分かりません。
それが俺かもしれないし、他の花達かもしれない。
手折る事は禁じられておりますが、言い換えればそれ以外なら何をしても良いのと同じ。
お好きなように、夜をお楽しみください。
[蝶はどんな反応をしただろうか。>>9
詰まらなそうな表情か、それともまた別の顔か。
それが見れたか見れなかったか定かでは無いが、誰かが己を呼ぶ声がするのは確かに聞こえた。
声の主は藤之助だったか。それに一つ頷くと蝶を真正面から見つめ。]
申し訳ございません、今宵は別の蝶が俺をご所望のようです。
[一言そう断ってから、深く一礼を。
止められれば振り返るだろうし、何も無ければそのまま自室へと。*]
(44) 2014/09/14(Sun) 22時半頃