[果たして、彼は此方に向くだろうか。
向かないのなら、其れまでだが。列車が駅へ入っていくのを、ぼんやり窓から眺めていた。白い煙が音を立てるように流れていく。合間に見える光は夕日色。]
ペラジーか。
[色が、フードの青年と赤い酒にかぶって見えた。>>1:81イアンは彼と話が出来たか。ラウンジ車か食堂車で。と話していた。……握手を求められ。
少し悩みながら、握りしめて―――]
彼は難しいな。
[彼は持つものだ。その背に暗い影が見えても変わりなく。
この持つものというのは、選ばれたもの。という意味を孕んでいる。ぎりっと懐中時計を握り締める手が強くなった。気づいてないのだろう。
…気づけば、良いのに。其処に混じるのは羨望に似た暗い感情ばかり。彼を利用するより、自分がかすめ取った二等車両の男>>9の方が良いはず。
…だから、女性を自分は相手取るのだ。
女性は、綺麗だから……心中がどうであれ。]
(43) 2015/11/30(Mon) 07時頃