― 路地裏へ ―
[そして、黒いスタジャンを羽織ると、周が行きそうなところに小走りに駆けていく。
外はとても寒く、雪が今にも振りそうだ。
帝都の外れにある孤児院は、やはりその性質なだけあって、影に隠れた場所にあるからこそ。
ひょいとそこらから神出鬼没に出てくれば、あの子は孤児院の子だとは周りにすぐしれるだろう。]
おい、周みなかっだか?
[そうそこらに歩いている少年がいれば呼び止めて、ギロリ、睨みつける。
そいつが恐る恐る指差す方向に足を向けると、
みつけたのは、>>16マユミのほうだった]
なんだぁ?おまー、部屋にいたんじゃねぇのがよ。
[基本、男子と女子は、12歳を超えれば、部屋はきっちり分けられる。
だから、周がいないのはすぐにわかるのだけど、マユミがいないのにはまだ気がついていなかった]
おい……。
[だが、すぐにその状況が不穏なことは感じるだろう**]
(43) 2014/02/06(Thu) 08時半頃