−Dullahan 1F 回想−
[笑顔を浮かべたまま倒れこんだセシルを見下ろした。>>7:158]
まったく、この怪我でよく動けたね。
任務に失敗して、無様に戻ってきて、挙句の果てに俺を莫迦呼ばわり?
死ぬ間際に幸せだ、なんて言って笑って。莫迦は君だろう。
俺は君の人生を奪ったも同然なのに、ね。
[憫笑し、もう届かないだろう声を無意味にかける。セシルの周りを、赤い色がじわじわと染めていく。侵食されるように白いタキシードが赤く染まっていった。周りの影が近づいてくる。>>15]
……床、汚れちゃったからふいといて。
『……彼はどうします?』
これは…そうだね。そのへんにでも捨てといて?って言いたいところなんだけど。……命令通り、俺のところに戻ってきたからね。
最期の最期に、ご褒美をあげる。
連れていってあげるよ、君が敬愛していた、君の父のところに。
[我ながら甘いだろうと思い、密かに自嘲する。この平和ボケした国に長くいすぎたせいだろうか。指示をだし、背後のベネットからの殺気が消え、階上へ上がるのをちらりと見やる。>>16]
(42) 2011/11/23(Wed) 02時半頃