―――、ふざけんな。ふざけんなふざけんなふざけんな。
みんなみんな勝手なことばっか言って。
アタシはただ、人間として生きたかったのに。
あのまま、暮らしていたかっただけ、な―――。
[―そうだ。
つまり、元の暮らしが…したいのだ。それが出来れば何も求めはしない。
だったら――死に物狂いで取り戻せばいい。
世界の観測者《ホロウ・スコルプス》だって、自分の住む場所がなくなったら大変だろう?
つまりは、そういう話だ。]
――ぶっ飛ばす。
キャバ嬢舐めんな―っ!
[むくり、起き上がって着替える。
とはいえここには自分が好むような服はないから、昔の自分の服に魔法をかけた。
白いシンプルなドレス。ふわりとしたスカートには深くスリットが入っていた。
それと、黒い編み上げのロングブーツ。ヒールの高さだってポリシーがある。
銀の髪をまとめる櫛には、ミッドナイトブルーの石が付いていた。]
(42) 2012/02/13(Mon) 13時頃