安心すべきなのか?
それとも拒絶し尾鰭を地面に敲くべきなのか。
僕の頭は混乱を極め、瞳は透明な膜を張ることでしょう。
下を決して見ない彼女には気付かずに、彼女の好きな御伽噺に喩えられたそれ>>337を耳に通します。
嘘をつくと鼻が伸びるなら、伸びない自分は何なのか。
しかし其れはあくまで夢の御伽噺。僕は彼女を知っています。だから、だからこそ―そのぎこちない救いの手を、言葉を、振り払ってしまった。
「だって…御伽噺は、所詮御伽噺だから…現実のことなんて、ちっとも!…」
まるで拗ね怒る餓鬼だと、遠くない未来に冷静になるだろう彼女は僕を罵るでしょうか。僕はただ彼女の救いに救われようとしながら、しかし彼女を傷付けない為にも彼女を拒絶する。その御伽噺の偽物加減を、現実を見てくれないと罵って。そう!だってここがもし御伽噺なら、僕はピノキオではなくて、赤頭巾を喰らう狼であることだって。「獣じゃない」と嘘しか吐けない唇は、人を騙し喰らう為にあることだって、あるのだから。
(40) 2014/10/05(Sun) 06時頃