―― 宴の始まり ――>>#0
[会場の一角に佇んで、開宴の言葉を聞く。
集まった使用人の大半は以前にも参加していて、待ち遠しさもあらわにグロリア姉様へ視線を向けていた。それもあってか、挨拶はごく簡単なもの。思い思いの歓声と共にあちこちで乾杯のグラスがぶつかる音がする。]
ロイエは、こうして加わるのはきっと初めてよね。
この「無礼講」。
[ざわめきを耳に楽しみつつ、傍らの彼女へそう尋ねた。
先刻の用命>>0:62>>0:72のとおり、すぐそばの丸テーブルにはシャンパンのボトルとグラスが2つ。空のグラスを片方取って、彼女に向けて差し出した。]
今夜は先に、あなたから、どうぞ。
いつもは注いで貰うばかりだけど。
今夜は誰も彼も、同じように楽しめればって思うの。
[次にはシャンパンのボトルを取って、今にも注ごうかというように傾けて。ロイエはどんな反応を示すだろう。楽しみにしつつ少し気がかりなような。そんな眼差しで観察する。]
(40) 2022/06/29(Wed) 06時頃