―旅は終り、城にて―
いやだからだな、これは必要経費なのだ。辺境騎士団には食料の次に大事な経費ゆえ、認めていただかなくては困る。
[軍の予算委員会に説明を求められ、喧々諤々どうにか予算を通して貰い(こっそりディーンやセシルが予算委員長を脅したとか脅さないとか…)たまりにたまった書類仕事をかたずけるのに幾日かかかったようだ]
『辺境騎士団長殿はなかなかお戻りになられないから、紙の仕事がたまって困りまする。』
[参謀殿に怒られつつも、はっはっはと笑ってごまかし]
(残りはピッパ殿にでも押しつけて明日にも本部に帰ろう。みんなが俺の帰りを待ちわびておると手紙も来た事だしのぅ)
―辺境騎士団は国境を警護しつつ、近隣諸国に目を光らせ戦うのが仕事。西の渓谷に巣くう巨人族との争いも、音楽が無くなった時から劣勢になった。傷ついた仲間と必死に戦って、つかの間の休息にも疲れ果てた部隊を癒す音楽がない。西の渓谷に雨がたまり攻めて来られないこの時期に旅の勅命があったのが幸いだった。
疲弊した部下たちの為に、部隊を参謀に任せ旅に出た。そして―
(38) kay 2010/03/30(Tue) 01時頃