─ 家から図書館までの道すがら ─
[暑い。
直射日光が真上から容赦なく降ってくる。頭皮が灼けてる感覚が、全身から汗がにじみ出る感覚が、それがTシャツの下を伝う感覚が不快だ。
家に親戚が集まってなんか居なければこんな思いしなくて済んだのに。]
…ん。
[ポケットの中のスマホが震える。メッセージアプリのアイコンが通知画面に現れた。送り主は…航だった。
ぎゅう、と眉間にしわが寄る。
「いきなり連絡してきたと思ったら夢の話かよ」
「んなことより叔父さんさっさと連れて帰って」
もしかして俺が見た夢のことを言ってんのか?そう思いはしたけどそれをわざわざこいつに伝える理由がない。それに、夢の中で夢を見る…とかそういうの、俺には別に珍しくもなんともない。
だから二言だけ。スマホをスリープ状態にしてポケットに戻す。]
(38) 2019/09/04(Wed) 18時半頃