― 回想/自らを封印せし者、つまりはニートの戦い ―
[対戦を終えれば兄が約束通り待っていてくれて、掛けられる言葉には首を縦や横に振って返事を。
初めての実戦。そして初めて人の注目を浴びた後。
たくさんの初めての後で、心臓が口からはみ出るのではないかと思うほどに激しく暴れまわっていたのだ。]
……、……、
…………ひとりよんやくとは、ちがった、
[ようやく落ち着いて来ればぽつりとそんな感想を述べて。
兄の反応を窺う。もし、兄が少しでもマブスラに興味を抱いていたのならば今度練習相手になってもらおうか、なんて思案しながら。
対戦者の誰が強かっただとか、誰が使っていたバッジが希少価値が高いだとかを淡々と説明し。]
…………、
…………たいじんせんは、こわい。
[最終的にそう締めると両の掌の中に握りこまれたバッジをそっと見下ろして。]
(37) 2015/03/19(Thu) 00時半頃