欲しいものがあるなら、相談に乗るよ。[顔を上げた彼に見せるのは貴公子然とした笑み。余裕を演じて居ない顔は何処にもないが、手は彼の頭を捕え、その髪を一度ふわりと撫でた。だが、其れは振り払われる事になる。咄嗟の行為だったのは予想がついた。]…あ。大丈夫かい?[狭い通路に当たる手を見ては、振り払われた手を握りながら、そう問いかけたが、彼はそのまま一等車両へ向かってしまったか。その後、人参頭の少女と軽く言葉を交わせば、汽笛が鳴り混雑する前に自らの部屋へ戻っただろう*]
(37) 2015/11/30(Mon) 06時半頃