[そうしてノイズと共に耳へと流れ込んでくるニュースを、頭の中へと送り込んでいく。
挽き終えた豆をミルに付いている小さな引き出しから取り出してドリッパーの中へと移せば、次にサボテンに水をやる前に沸かしておいた湯を注ぐ。
男の好む温度は83度。苦味が少なく、程よくまろやかになるこの温度だ。
"いつも通り"に準備が進んでいるのなら、沸かした湯は今頃丁度良い温度に冷めているはずだ。]
(……、さて。
今日は久々の休みな訳だが…何をするかな。)
[湯を注ぎながら、挽きたての豆の香りを堪能しながら、そんな事をぼんやりと考え。
そうして豆を蒸らして、一杯の珈琲を作り上げる。
甘くほろ苦いその液体を手に、ソファへと腰を下ろし。何時もならばここできっかり30分、テレビの音を聞きながら新聞を読み、思い通りに作られた珈琲の味を楽しむ所なのだけれど。
しかし、珍しい事に今日から数日間は仕事の予定は無く。仕事の事は愛しているが、たまには休息も欲しいものだから、調整をかけたのだ。
そしてそんな日だけは、男もまた"決められていない"一日を、存分に楽しむのだった。]**
(37) 2014/10/01(Wed) 03時半頃