[王宮のある方角から会話の全容は遠くて聞こえて来ないが、はっきりと聞こえた単語があった。
それは『ベネット』という単語。サイラスは彼を探していたし、彼の名前が何故王宮の方から聞こえてくるか不思議だった。]
君は良い子ですね。
[戯れていたピーターに軽く口付けをして、ヤニクの膝にピーターを乗せた。]
そろそろ遅いので帰りますね。
子うざぎ、可愛いですね。本当はそのまま連れて帰りたいくらいです。
[腕の中にいた小さな温もりをヤニクに預け、替わりにサイラスから受け取った薬を腕の中に収めた。
彼が家まで送ると言われたら丁重に断りをいれ、名残惜しそうにピーターの頭を撫でる。]
では失礼します。
ピーターはまたね。
[ヤニクには小さく頭を下げて、うさぎには小さく手を振りその場を離れた。
目指す場所は愛しい人の名前が聞かれた王宮。]
(35) 2011/11/16(Wed) 03時頃