[ならば私が立ち去れば丸く収まる話だ。給仕服の彼女とは別な理由で……――その場を辞すつもりで一歩、退いたけれど、女の子の、明るい声に呼び止められる。あどけない笑みが愛くるしくて、見惚れている間に手を取られて、驚きに目を丸くする。今日ひとに触れられるのは、二度目。こんなこと、今迄だって、滅多に無かったのに…素敵な一日の魔法はまだ続いていたのね、なんて曇り無い笑顔を向けてくれる彼女に、そっと微笑み返した]
(35) 2015/04/20(Mon) 02時半頃