[ >>33 案外あっさりと決まった職に、内心ほっと胸を撫で下ろす。 ]
ああ、荷運びなら任せな。ビール樽くらいちょちょいのちょいだ。
[ ちらりと店内を見回す。あまり広くはなく、給仕に走り回ってもさほど消耗はしないだろう。忙しさについては、おいおい覚悟を決めるほかない。
多少鍛えてはいるが、さすがに四十ともなるとガタは来るものだ。主に、関節や筋に。 ]
給金も十分で、賄も出ると来た。
気前のいい店だ、きっとこれからも繁盛するぜ。
[ 腕を組み、うんうんと頷く。得意なおべっかも忘れずに。
時折少女の視線がくすぐったいが、気づかないふりをした。
あまり探られたくはない。ワルというほどでもないが、褒められた経歴でもない。
……要するに、初対面の相手にくらいは格好をつけたいのだ。 ]
で、さっそく何をすりゃあいい?
[ なるべく楽な仕事で頼むぜ、と、心の中で呟いた。 *]
(34) 2018/08/03(Fri) 22時半頃