…………、
…………すてなきゃ、……だめ?
…………ケン太くんは、もう……家族。
言い換えるなら、……まいふぁみりー。
[それはもう捨て猫を戻して来いと言われた子供のような表情でしとしとと呟く。
ゲームの半分以上の時を共に過ごしていたケン太くん(腕)の存在。
そこにある絆はもう既に友情なんて安っぽい言葉では言い表せないものへと変わっていた。
兄がどうしても捨てろというのであればそれに従うだろうが、今回ばかりは渋る素振りを見せるだろう。
それ程までにケン太くん(腕)は妹の心を射止めているのである。]
…………良い考え。
でも、にい……階段も危険。
……気を付けなきゃ。
[目の前に聳える階段。ボスの所へと辿り着くまでに何段あるのかは予測できないが、この建物の景観からして長い戦いになるだろう。
言うなればこれはボスダンジョン。『何の仕掛けも無く無事に辿り着ける訳がない』とケン太くん(腕)をドラゲナイ無線を持つように口の前に構え兄に告げる。
真剣な面持ちで『宝箱があっても警戒するくらいの気持ちで行った方がいい』と付け足すと、一人でに頷き。]
(33) 豆腐 2015/03/20(Fri) 22時頃