【人】 本屋 ベネット

―　リビング　―

[ぼうっと、ひとりだけのリビングを眺めていた。
反省部屋は遠くその音は届かない。
静寂の中考えるのは、ラルフ、そして兄弟のこと。
空いたひとつひとつの椅子に目を遣り、
それぞれに座り笑っていた顔を思い浮かべる]

[反省部屋の面々は心配だ。
でも自分はここで待っていよう、とじっと留まり続けた。
いつもの笑顔で迎えたいから]

[自分も色々と余計なことを考えすぎかもしれない。
こうあるべきだとか、役割とか立ち位置だとか。
元々深く思い悩む性質でもなかったはずなのに、
変にもやもやして心配ばかりかけたり、馬鹿みたいだ。
きっと、この悩みは尽きない。
でもそれが兄弟ってものなんだから、
立ち向かい続けるしかないんだろうな、とため息をつく。
それは哀しみでも怒りからでもない苦笑とともに]

(33) soranoiro 2011/09/01(Thu) 18時頃